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--芥川龍之介-- ・最も賢い処 世術は社会 的困襲を軽 蔑しながら、しかも社会 的困襲と矛盾せぬ生活をすることである。   ・恋 愛はただ性欲の詩的表現をうけたものである。   ・人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはバカバカしい。しかし重大に扱わなければ危険である。   ・天才の一面は明らかに醜聞を起こし得る才能である。   ・自由は山嶺の空気に似ている。どちらも弱いものにはこたえることはできない。   ・人生は落丁の多い書物に似ている。一部を成すとは称 しがたい。しかし、とにかく一部を成している。   ・われわれを恋 愛から救うのは理性よりも多忙である。   ・私は不幸にも知っている。時には嘘 による外は語られぬ真 実 もあることを。   ・どうせ生きているからには、苦しいのは当 たり前だと思え。   ・他人を弁護するよりも自己を弁護するのは困難である。疑うものは弁護士を見よ。   ・道徳 の与 えたる恩恵 は時間と労 力との節約である。道徳 の与 える損害は完全なる良心の麻痺である。